1.黄砂って何?
韓国では古くから、「土が雨のように落ちてくる」という意味で「雨土(ウド)」または「土雨(トウ)」などと表現されてきた黄砂。そんな言葉通り、黄砂とは中国内陸部の砂漠地帯などから風により巻き上げられた砂の粒子が上空を覆い、徐々に大気中に降下する現象、またはその砂粒自体を指します。最近は中国の経済成長により工場数が急増。黄砂が大都市や工業都市を通過する際に鉛やカドミウムなど人体に有害な重金属物質まで取り込むようになり、単なる自然現象を超えて環境問題としても注目が高まっています。
2.こんな日は要注意!
黄砂が発生しやすいのは、冬から春にかけての湿度が低く乾燥している日、そして風が強い日です。地面の水分量が多い夏・秋は、砂が舞い上がりにくいためほとんど発生しません。以前は冬場に観測されることはほとんどなかったそうですが、近年は冬にも時々発生するように。地球温暖化による気象条件の変化や砂漠化の進行との関連も指摘されています。
3.代表的な黄砂トラブル
黄砂が発生すると、空は黄褐色を帯び、地上から上空にかけて霧がかかったようになります。大気中の塵の量は通常の4~5倍となり、黄砂に含まれる各種化学物質が咳、鼻水、気管支炎、喘息や目、皮膚のアレルギー疾患を誘発します。健康面への憂慮から、黄砂がひどい日には臨時休校措置を取る小中学校も出ています。また、飛行機の欠航や精密機械工場の休業、ビニールハウスに砂が積もって光を遮り作物の生育を阻害することもあるなど、経済面でも様々な被害が。
黄砂は偏西風によって移動するため、モンゴル・中国・韓国・日本と北東アジア共通の問題ですが、被害の内容・程度は発生源からの距離によって異なります。発生源に近く、最短1日で飛来する韓国では、さらに東に位置する日本に比べてより深刻な被害となっています。
4.観光・外出時はしっかりガード!黄砂対策
韓国の新聞・ニュースなどでは、毎年春に必ず黄砂対策が取り上げられます。また、世間では「ほこりっぽい日はサムギョプサル(豚肉)を食べると良い」「咳には梨の果汁が効く」など、黄砂予防に関する様々な噂が飛び交います。「未然の対策」と同じくらい重要なのが、「正しい対策」。
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