韓国には「伏日(복날:ポンナル)」といって、暑気払いで滋養食を食べる日があります。日本でいうところの「土用の丑の日」です。伏日は毎年7月から8月にかけて全部で3日あり、それぞれ初伏(초복:チョボッ)、中伏(중복:チュンボッ)、末伏(말복:マルボッ)と呼ばれています。また、3回の伏日を合わせて「三伏(삼복:サムボッ)」といいますが、初伏から末伏までの三伏の期間は、1年で最も暑い時期。そのため、この時期の暑さ(韓国語で「더위:トウィ」)のことを、特に「삼복더위:サムボットウィ」と言ったりもします。韓国の人々にとって馴染み深い年中行事となっている伏日。伏日の過ごし方や当日の様子、欠かせない食べ物などをご紹介します。
今年の伏日はいつ?
1年で最も昼間が長い夏至の日から3番目の庚(かのえ)の日を初伏、4番目の庚の日を中伏、そして立秋を過ぎて最初の庚の日が末伏となります。旧暦のため毎年日付が変わりますが、大体7月中旬から8月中旬。2011年は、初伏は7月14日、中伏が7月24日、末伏が8月13日となります。
伏日はどうやって過ごす?
日本の「土用の丑」は、「夏バテ防止のために鰻を食べる日」として認知されていますが、韓国の伏日はどんな風習があるのでしょうか?今から約600年前の朝鮮時代には、暑さを避けるため、食べ物や酒を用意して、渓谷などに遊びに出かけていたといわれています。宮中では、高位官吏たちに冷たい氷菓子や宮廷の氷貯蔵庫から氷を持っていくことを許可する「氷標(ピンピョ)」が与えられました。一方、民間では、伏日の暑さに負けないよう、参鶏湯(サムゲタン)や補身湯(ポシンタン)など栄養のつくものを食べる習慣がありました。また、火性の盛んな夏場の庚の日は、「金が火に屈する」ということから縁起の悪い日とされ、種まきや旅行、婚姻、病気の治療などは控えられました。
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